9月の診療風景(その1)「何度も吐くんです・・・」
お腹を触ると直径1㎝大の塊が触知され「ん~~(これはよくないぞ)、レントゲン撮りますね」と即検査を行ったところ子猫の体格に比べて明らかに大きな異物とガス貯留像が認められました(こりゃ100%手術だな・・)。
腸閉塞は嘔吐と疼痛から元気消失し、また異物形態や閉塞時間によっては閉塞部位の壊死・穿孔を生じ死に至ることもある緊急性重症度の高い状態で、多くは緊急手術が必要となります。
飼主さんにその旨を説明し、周術期【手術・入院期間】の説明および係る費用を説明し、もう一度触診、「何度触ってもあまり痛がらないからもしかしたら閉塞せずに出てくれるかもしれないけど、ちょっと無理でしょうね・・・」と告知した上で、脱水および患部血流改善目的の皮下補液と消化器運動機能改善剤を投与し、自宅で一晩経過観察することとなりました。当院では翌日の手術準備と(根性で出せよ!)と祈りつつ、飼主さんはショックを受けつつ。
翌日一番、
「でましたー!!!」との飼主さんの嬉しい声。見ると、まず腸閉塞するであろうウレタンマットの大きなカケラと、レントゲン写真にみられた1cm以上のイヤフォンのゴム、そしてビニールヒモのカケラ多数・・・
飼主さん病院スタッフそして手術・入院当直を覚悟していた私、みな安堵した一瞬でした。
格言; 最後は根性!
予測; この子は大物になる。よってトイレ掃除がんばってね(☜何が・・)。
重要; 飼主の皆様へ 「何にでも興味を持つ幼少期の子犬子猫は異物の誤食に注意してください!」
( )内は院長の心の声です。
2021年10月05日 17:40